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第525話

教壇に立つ長岡の胸元がきらりと輝る。 それが嬉しい。 「じゃあ、課題持って来てください。」 使ってくれてる なんとなく優越感。 「吉田出して来てー。」 「あ、俺も。」 「めんどー。」 「俺たちついでに知佳ちゃんのも持って行ってやれば?」  「うしっ、任せろ!」 田上と顔を見合わせ笑いながら元気な背中を見送る。 想い人に話しかける吉田に知佳ちゃんの周りにいる女子達も課題を渡している。 知佳ちゃんにありがとうと手を振られ満更でもなさそうな顔のまま担任の元に持って行くと、 長岡にまで笑われた。 恋人に似ていても教師の顔をした長岡。 「あーあ、俺も可愛い彼女欲しい。 かっちゃんって呼ばれてぇ。 三条なんて呼ばれてんの。」 「だからバイトしてたって。」  「中々引っ掻かんねぇな。 つまんねー。」 未だその話を引き摺る田上と楽しく話していると吉田が戻って来た。 「長岡にまで笑われたんだけど…」 「ははっ、知佳ちゃんも笑顔にしてんだから良いだろ。」 「そうだよ。 ポジティブに考えろって。」 一番後ろの席からだと田上達と話していても視界に入る担任は、課題を確認したりプリントの枚数を確認したりちまちまと忙しそう。 そして、動く度に光を反射するソレが視界の隅にチラチラと入る。

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