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第553話
3学年相手に見事勝利を収めたA組は午後から決勝戦。
勿論、担任としても嬉しい。
先を歩く細い背中を追いたいのにじゃれ付く生徒が居ては出来ない。
未だ近くから離れない女子生徒をなんとか撒くと、目的地へと急いで向かう。
トボトボと歩く後ろ姿はすぐそこ。
目の前の生徒の腕を掴むと個室へと押し込んだ。
「ちょっと、来い。」
便座を下げたそこに三条を座らせると、長岡はその前にしゃがみこむ。
溶けたジャージの穴から、真っ赤に擦りむけた膝と剥けた皮に溶けてくっつくジャージだったものがしっかりと見える。
顎も打ったのか少し赤みがある。
「え、な…っ!?」
「でけぇ声出すな。
痛くねぇか。」
ぺろりと舌を這わせると、傷口が染みるのかきゅっとジャージを握る手に力が入った。
保健室に連れていかなければならない、だけどもう少しだけ…と傷口を舐める。
「っ…」
「名誉の負傷ってか。」
舌を穴に挿入し舐め回していると、まるで遥登の体内を舐め回してる様な感覚になる。
目の前でそれに堪えている三条も同じなのか、真っ赤な顔で口元を押さえナニかに絶えはじめた。
「は、…っ」
「それでさ…」
「…っ!?」
歓迎されざる客人に三条の身体が大きく跳ねる。
「そうなんだよね。
結果は悪くないんだけどイマイチ。
そっちは?
進学先県外だっけ?」
肩に置かれた手が小さく抵抗するが、目を見たまま穴の中を舐め回す舌は止めはしない。
駄目…駄目…と首を振りながらも、微かな抵抗しかしない三条が可愛くて仕方がない。
「そう。
ま、隣の県だけどな。」
「…っ」
口元を覆っていた手まで肩に置かれ、両手で引き剥がされた。
今までより強い抵抗に顔を上げると
チュウ…ッ
「ん?
今、なんか音した?」
「え?
体育館じゃなくて?」
「気のせいか?」
驚いた
頬に触れたのはあたたかな唇。
顔を真っ赤にしふぃっと顔を反らせたまま再度口元を手で隠す生徒は、何時の間にか恋人の顔をしていた。
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