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第563話
休日返上で文化祭準備をするのは構わない。
長岡も振替休日分と修学旅行時の仕事を片付けるのに都合が良い。
結局長い話し合いの末、A組は沖縄銘菓の販売をする事に決まった。
紅芋タルトやサーターアンダギーのミックス粉、ゴーヤージュース、沖縄限定のお菓子やカップ麺。
今の時代ネットでも買えるが、その場で食べてもらえる様にポットや使い捨ての食器も用意するらしく案外昼飯時は良いかもしれない。
申し訳程度だが、沖縄について纏めた史料も壁に貼る辺り真面目な生徒達だ。
「はさみどこいった?
ねぇ、そっちにない?」
「あるよー。
はい。」
教室にパソコンを持ち込み、生徒達の横で教案や雑務を片付ける。
準備室で仕事をしていたのだが、生徒が一緒にしようと呼びに来てくれたので折角のお誘いを無下にするのも悪いと教室内にいた。
教卓とパイプ椅子を窓際にずらし久しぶりの日光を浴びながら仕事を片付けていく。
さほど広くはない教室内は、寧ろ準備室よりあたたかいような気がする。
クラスの半数が参加しているだけあって熱気だろうか。
2人っきりとはいかないが三条のにこにこと楽しそうな顔を見れるのも嬉しい。
「三条くん、それ取ってもらって良い?」
「これ?
どうぞ。」
「ありがとー」
決して静かではないが、仕事が捗るのは人の目があるからだ。
窓際はポカポカと気持ちが良い。
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