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第566話

「あ、おかえりなさい。 お邪魔してます。」 「ただいま。」 つい1時間程前に分かれたばかりの三条は、玄関の開閉音に顔を覗かせた。 その嬉しそうな顔は、どんな栄養剤より効果がある。 買い物袋をガサガサ揺らしながら靴を脱いでいると何時の間にか三条は目の間に来ていた。 「待たせて悪かったな。 冷蔵庫空っぽで…どうした?」 スーツの裾を掴む細い指。 珍しく甘えようとしているのか三条の顔に赤みが増している。 髪を撫でながら優しく問えば、三条はおずおずと口を開いた。 「あんまり、一緒にいれないから…その…」 「その?」 「だから…ですね…」 チュ 鼻先でリップ音を鳴らと、三条は唇を尖らせた。 「だから?」 「沢山……いちゃ、いちゃ…した…い…です」 頑張って口にしてくれた三条を腕の中に閉じ込め、目一杯抱き締める。 遥登の清潔なにおい。 あたたかな体温。 バグで疲れの1/3が軽減されるらしいが、遥登とのバグは1日分の疲れが癒されていくようだ。 「俺も遥登といちゃいちしたい。 ベッド行くか? それともセックスする? 好きな方選んで良いぞ。」 「それ、どっちも同じなんじゃ…」 「どっちも?」 冗談を言いながらも短く狭い廊下を一緒に部屋へと歩いた。 行為への誘いに否定はしない辺り、今日は何時もより少し大胆な遥登が期待出来そうだ。

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