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第605話

「シータ、あれがラピュタだよ。 父さんは嘘つきじゃなかったんだ…っ!」 「はははっ」 疼きの収まった三条は田上と楽しそうに過ごしていた。 余程楽しかったのだろう。 半数以上の生徒は夢の中。 静かな飛行機内に微かに田上と三条の笑い声が聞こえる。 「夢じゃなかったんだ。」 「夢だけどー夢じゃなかったー。」 「待って、それずりぃ。 腹痛ぇわ。 笑わせんなよ。」 「田上がはじめたんだろ。 俺も腹痛い。」 前の席で寝ている吉田達を起こさないよう声を潜めてはいるが、楽しそうな声は後方の長岡にも微かに聞こえていた。 段々と近付く住み慣れた街に2人は外を覗く。 田んぼと畑ばかりの茶色い地上にまた笑う。 「ラピュタは茶色かったんだ!」 「ははっ、まだ言うのかよ。」 「締めは決まってんだろ。 あの言葉を教えて…!」 「言わねぇよ。」 くだらない事でこんなにも笑い合えるのが楽しくて楽しくて仕方がない。

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