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第642話
賑やかしに点けたテレビから誰かの笑い声が響く部屋。
ベッドに寝転ぶ2人は別々の事をしながらも、時々何かを話しては笑い合っていた。
三条は長岡に屈託ない笑顔を向け、楽しそうに話す。
長岡は三条の髪を梳き、口に吸い付き照れる三条にまた笑う。
サイドチェストに持ってきたマグカップの中身はすっかり冷えたがそんな小さな事は気にならない。
三条は勇気を出して大きな手を握るとしっかりと握り返してくれる手にはにかみ、好きだと伝える。
長岡からは愛してると言われやっぱり敵わないとふとんで顔を隠す。
そんな三条の耳に口を寄せ一言呟くと、嬉しそうな顔でしっかりと頷いた。
何を言われたのか、何を言ったのかは2人だけが知っていれば良い事。
穏やかな時間はゆっくり過ぎていった。
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