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第650話

三が日も開け、何時もの日常が戻ってきた。 もう1週間もせず授業も再開される。 嬉しいようなもう少し休んでいて欲しいような。 「相川先生、おはようございます。」 「あ、おはようございます。」 前方を歩く同時期に赴任された相川先生は白衣をはためかせながら両手いっぱいの段ボール箱を抱えていた。 「手伝わせてください。」 「そんな…っ、あ、すみません…」 「同じ方向ですから。」 長岡の手にも相川の手にも同じごみ袋を持っている。 生徒がいなければ毎日の清掃もなく、だからと言って2週間もしないのは不衛生だからと教師達が気が付いた時にちまちまと埃を掃いたりごみを纏めたり雑務もこなさなくてはいけない。 面倒と言えば面倒だが、自分達の職場なのだからこれ位の事で文句を言うのも違うと思う。 「案外重いですね。」 「あ、嵩張る物ばかり貯めてしまって…。 すみません…。」 「違いますよ。 好きで持ってるんですから気にしないでください。」 申し訳なさそうにする相川に口角を上げると少し表情が和らいだ。 ガリガリの三条より非力そうな相川。 失礼たが、よく此処まで持ってこれたなと感心してしまう。

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