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第656話
その足を見た時、身体が勝手に動いた。
床に這いつくばって汚れた足を舐める。
最初こそ長岡も一瞬目を見開いたが、すぐにいやらしく細めた。
「へぇ?」
自分の精液なんて不味くて気持ち悪い筈なのに異常に興奮する。
指の股までしっかり舐め終わる頃には三条のスイッチも完全に入っていた。
最後に足の甲にキスをして顔を上げると、長岡は自分の膝の上をぽんぽんと叩く。
三条はふらふらと立ち上がると膝を跨がった。
下を向けば、首輪もそこから伸びるリードも、はしたなく涎を垂らす陰茎も丸見えで三条は恥ずかしさに長岡の首に抱き付く。
「は、ぁ…ぁ」
「お利口さんだな。
尻尾揺らして嬉しいのか。」
愛しい飼い主のにおいに頬を寄せる。
マーキングされたい。
飼い主のにおいを纏いたい。
熱くなる息が長岡の首に当たる。
「そんな擦り付けてどうした。
発情期があんのは雌だけだろ。
遥登は発情しないよな。」
「しな…い」
「じゃあ、お利口に“待て”出来るよな。」
「はい、」
「はい、じゃなくて?」
「…わん」
耳にキスされ、顔を上げると頬に手を当てながら親指で唇をなぞられる。
いやらしく動く指に口の中に唾液がたまり、こくんと飲み込むと笑われた。
スイッチの入った長岡はとても色っぽく、艶やかに笑う。
ぞくぞくと自分の中の被虐が焚き付けられいくのが解る。
はしたない
あさましい
だけど、それはとても甘美な味がする。
「飼い主さま」
「ん?」
「飼い主様…」
「もう欲しくてたまんねぇの?」
笑いを含んだ声に目を泳がせると、お返事は?と聴かれわんと頷いた。
「でも、尻尾入ってっから俺の入んねぇな。
かわいー尻尾が、ほら。」
ほら、とプラグが抜けない程度に揺れる尻尾を引かれ背中が撓る。
プラグのカリがアナルの縁に引っ掛かり甘い刺激にぞくぞくとした。
たまらず長岡の勃起したそれに自分のそれを擦り付け誘惑する。
自分のより大きくて硬くてアツい。
何時も自分を気持ち良くするソレ。
「ください…」
「どうしよっかなー」
「…飼い主様」
自分が付けた薄いキスマークの上に更に口を付け、ちゅぅっと吸い付く。
鎖骨を舐め、首にも吸い付きその気にさせようと躍起になるが、長岡はニヤニヤとするだけ。
こんな勃ってるのに…
ほしいのに…
「手ぇ使わないで尻尾出せたらやろっかな」
「手…だめ…」
「そ。
手はだーめ。
前にもした事あんだろ。」
疑似排泄。
確かにはじめてではない。
以前にもした事がある。
最も恥ずべき行為の筈なのに…。
それなのになんでこんなにも興奮するのだろう。
「…わん、…ん…くぅ、ン」
意識すればするほど後孔が締まる。
しかもカリが縁に引っ掛かり上手く出せない。
「締まり良いのも困りもんだな。」
笑いを含んだ声に頬が熱くなる。
下腹部に力を入れるが上手く出てくれず、力を抜くために三条は自ら乳首を弄る。
天辺を撫でたり爪で引っ掻いたり刺激していくと、さっきより出そうな気がし始めた。
「ん…ッ、んっ…はぁっ、ぁ」
しっかり嵌まっていたプラグが位置を変え、腸壁を刺激し動く。
そのまま力を入れながらアナルを穿たれた時の快感を思い出す。
はやく、ほし…
あと少し…、で、そ…う
「遥登」
「で…る、…でちゃッ…あ、ア……で…ま、す……んあっ」
カリが大きくて後孔を拡げ、最直径を抜ければ後はぬるんと飛び出した。
「えっろ。」
中身を無くした後孔がナニかを求めて切なくヒク付く。
ゴロンと床に転がる尻尾に長岡は笑みを深めた。
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