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第689話

長かった様で一番短い2月もやっと終わった。 期末テストも終わり、目下に迫るは卒業式。 それから入学試験に合格発表。 忙しく過ぎる毎日だが、充実感もある。 次は三条か 1人ひとりの成績を確認しながら成績入力していく。 他の教師達もパソコンに向かい、準備室内はカタカタとキーボードを叩く音だけが響いていた。 はー、遥登また成績上がってんな …寧ろ何ミスしてんだ? 下がる事を知らない成績に長岡は関心するばかり。 何時も5位以内にいるが、もう同位含めた数名しか上はいない。 たまに通話をしつつ勉強をしてるが凄まじい集中力を見せ付けてくる。 外泊日は1日以上勉強していないが、あの集中力と学習能力の高さでカバーしているのか。 長岡も偏差値の高い高校、国立大を卒業している。 お利口な三条とは違い若気の至りも沢山あった。 それだけで目立つ身長に、顔立ち、勉強が出来るとなればスペック重視の人間が寄ってきたりもしたが中身はただの本の虫。 あの悪友のお陰もあって見た目より平穏にすごした。 すげぇな 俺も負けてらんねぇ 3学年になれば週末課題の他に進学用課題や補講が増える。 月1の補講日を増やすかと話も出ているし来年度も忙しくなりそうだ。 それでもあの生徒は時間をつくっては自分の元へ遊びに来るだろう。 せめてストレス発散出来る様にしてやりたい。 どんなに忙しくてもあの生徒を受け入れるだけの余裕だけは残したいが、今日も定時に帰れそうにはなかった。

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