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第714話

冷凍してた白飯でさえとても美味く感じるのだから、遥登の存在は偉大だ。 付け合わせのキャベツもしっかり食べきり、手を合わせる。 「ご馳走さま。 美味かった。」 「お口に合ったなら良かったです。」 頭をぽんぽんと撫でると何時もの様に花が咲く。 今日も満開だ。 「洗い物は後にして、ゆっくりすっか。 隣おいで。」 定位置から皿を持って立ち上がろうとしていた三条の腕を引くと片膝を跨がらせる。 たまには遥登に見下ろされんのも良いな 恥ずかしがってる顔丸見え 「はるちゃん。」 「そのはるちゃんって…」 「ん? はるちゃん。」 下からちゅぅっと口を塞ぐと肩に添えられていた手がぴくりと動いた。 「生姜焼きの味すんな。」 「おっ、思い出す様な事言わないでくださいよ…」 「思い出せよ。 飯食う度に俺とのキス思い出してたまんなくなって、またおいで。」 右口角を上げてみせると三条は顔を真っ赤にして口元を隠した。 あまりに可愛くて鼻先に噛みつく。 「正宗さんってキス好きですよね。」 「遥登限定な。」

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