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第715話

頬から顎、喉仏、鎖骨と下がっていくと雰囲気を察したのか三条は身体を硬くしはじめてしまった。 初々しいと言えば聞こえは良いが、それがいじめたくなると言うのがわからないのか。 長岡は恋人の体温を確かめる様に唇で触れる。 「俺、帰らないとですから…」 「ん、わかってる。 痕は着けても良い?」 こくんと頷いたのを確認してから鎖骨下にマーキングを着ける。 服に隠れてはいるが、肩や脇腹、腕には噛み痕が着いている。 それでも足りない。 裾から侵入させた手で薄い腹を撫で服を捲り上げるとガリガリの身体が表れた。 春休み中だからとキスマークを付けまくった身体。 「なっ、ひぅ…、」 その身体の丁度自分の目の前にぷっくり膨れた乳首を犬歯で甘く刺激すると頭を抱き締めてきた。 「なに、もっと?」 「ちが、います…っ、そこで、話さないでくださ…息が、…あの、帰れなく、なる…」 はふはふとアツい息を吐きながら頭をぎゅうぎゅう抱き締め耐える三条に、本気で帰せなくなりそうだとブレーキをかける。 帰したくはないが課題もたんまりも出されているし、自分も出した。 それに進路を決めた三条を支えると決めたはずだ。 ぐっと堪える。 「じゃあ、最後」 「…っ」 早鐘を打つ心臓の真上にキスマークを付けると大人しく口を離した。 「いじめ過ぎたか?」 「大丈夫です。 でも、少し、時間ください。 すぐ落ち着きますから。」 服を直し膝の上に座らせると、背中を撫でる。 太股に当たる感覚とふわふわした甘い空気に当てられそうになるが、ここで我慢出来なきゃ男じゃないだろう。 「あの…今日は、時間がないですから…その…」 「ん?」 「正宗さんが休みの日に…」 「時間ある時なら良いのか。」 「…、はい」 「ありがと。 かわいーはるちゃんが見れたからまた明日から頑張れる。」 髪に鼻を埋めより密着すると、三条の心音と自分の心音が一緒になるようでなんだか嬉しい。 俺も頑張れますと小さな声が聴こえてきてまた嬉しくなる。 同級生より大きいけれど、自分より小さな身体を大事に大切に抱き締めた。

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