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第719話
「クリチうめぇ。
だけどやっぱマヨネーズの方が好きだ。」
「それ去年も聞いた。
わかっててなんで買うんだよ。」
「期間限定は食っとくんだよ。」
田上の奢りのメロンソーダを吸いながら友人達の会話を聞く。
あたたかな陽気に窓際の席を選んだがあたたかくて気持ち良い。
「三条も食ってるよな。
マヨネーズの方が美味い?」
「ん?
両方美味い。」
「はは、三条は好き嫌いねぇもんな。」
頷きながら2個目のハンバーガーに手を伸ばす。
厚切りカツにキャベツが沢山でボリュームがあるそれをぱくりと頬張り頬を膨らませた。
山盛りのキャベツ…
『思い出せよ。
飯食う度に俺とのキス思い出してたまんなくなって、またおいで。』
急に思い出してしまったあの時のキスにろくに咀嚼も出来ず飲み込んでしまうと変な所に入ったのか咳が止まらない。
「ゴッ…、ゴホゴホ…ッ、コホッ」
「おい、三条大丈夫かよ。
どうした。」
「ゴホ、ゴホ、変な所に、入って…ゴホ、」
手渡されたアイスコーヒーで喉に詰まったそれを嚥下するも咳は止まらない。
トントンと胸を叩き、なんとか詰まりを下ろす。
「ケホ、ごめん…、ありがとう。
助かった…。」
「気を付けろよ。
やましい想像でもしてたのかよ。」
「ちがっ、」
わないけど…、
胸をトントンと叩きながらやっと落ち着いた三条は自分のドリンクを一口飲んだ。
やっと深く呼吸が出来る。
新鮮な空気が美味しい。
「三条って案外むっつり?
やぁだ。」
「吉田には負けるよ。」
「ははっ、言われてやんの。」
はぁ、とひとつ息を吐いて落ち着いてからハンバーガーを口に運ぶ。
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