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第720話
「あ、三条、気を付けろよ。
三条が咳き込むとビビる。」
「大丈夫。
ゆっくり食べるよ。」
ゆっくり噛み千切るとゆっくり食べる。
自分のゆっくりしたペースにも文句を言わず付き合ってくれているハラペーニョが辛いと悶える友人2人には感謝ばかり。
美味しくて嬉しくて楽しくて三条も笑顔が溢れた。
「三条も一口。」
「辛いの解ってて食うの?」
「道連れな」
差し出されるホットチリソースの上にハラペーニョがトッピングされたホットドッグにかじりつく。
口の中が熱くなり身体がぽかぽかする。
「美味いけど辛い…、吉田辛いの好きだよな。」
「おう。
美味いよな。」
「あ、新しく出来たラーメン屋激辛美味いって。」
「知ってる!
駅前だろ。
行きてぇよな。」
「今度行くか。
なっ!三条!」
「うん。
行く。
大盛りにしよ。」
デザート迄しっかり食べて本屋に寄ったりぶらぶらと時間を過ごして、結局帰路に付いたのは何時もと同じ時間。
折角の春休みだけど、こうして友人と過ごしていると早く休みが明けないかななんて思う。
それに、例え距離があっても長い時間恋人を見ていられる。
我ながらげんきんだよな
田上と電車に揺られながら苦笑が漏れそうになった。
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