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第732話
綺麗にライトアップされた土手の桜はこれでもかと綺麗に咲き誇っている。
信号待ちで隣に停まると思わず見上げた。
花散らしの雨が降り、随分と心配したがこれなら間に合うだろう。
今までなら気にならなかったこの花をこうして見上げるのは恋人の影響だ。
何故気にしなかったのかと思うほど立派に枝を伸ばし、色を付けている。
随分と勿体ない事をしてしまっていた。
信号が赤から青へと色を変え、車は静かに走り出す。
早く休みにならないかとそればかりが頭を占めはじめた。
楽しみで待ち遠しい。
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