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第743話

何時もの週末課題に加えGWの課題を印刷する為に印刷室の扉を開けると先客がいた。 「あ、長岡先生…」 「相川先生、こんにちは。」 「こんにちは。」 狭い印刷室にガシャガシャと印刷音が響いている。 赴任当初より随分と色艶の良くなった生物部顧問は印刷室で長岡に頭を下げた。 「今日もあったかいですね。」 「はい…、あったかいですね。」 先客はおどおどとしているがそれでもしっかりと返答してくれるようになった。 以前はもっとどもっていた印象だったがそれもなくなった。 なにか変わるきっかけでもあったのか今の方が表情がやわらかくて好きだ。 長岡もコピー機に部数を設定すると印刷をはじめる。 「そういえば、生物部って古志くんが卒業されて今誰も居ませんよね。 入りそうですか?」 「…あ、いえ…ハムスターの世話位しか活動もありませんし…希望者は、まだ」 「寂しいですね。」 「…寂しい…、です」 意外な反応にそちら一瞥すると下を向いている。 やべ… 「あ、」 「あの…っ、長岡先生に頼みたい事があるんですがっ」 「はい?」

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