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第746話

午前の3時間が終わり昼休憩。 リビングの机の上は参考書や課題からホットプレートに、シャーペンの芯が紙の上を擦る音から楽しそうな笑い声えと変わった。 昼飯を囲み、優登も楽しそうにお好み焼きを頬張っている。 『1番好き』 「あー、可愛いよなぁ」 女優さんが尻尾を降っているCMに田上は釘付けになった。 確かに、尻尾を降って喜ぶ姿は可愛らしい。 可愛らしいが、あの腕の中のぬくもりの方がたまらなく愛おしいなんて思ってしまうから重症だ。 「こんな可愛い彼女にかっちゃん好きって言われてぇ。」 「かっちゃんは格好良いよ。」 「優登ー、ありがとな。 ほら、もう1枚食べな。」 「やった!」 弟は末っ子さえも虜にし甘える。 焼きたて熱々のお好み焼きを分けてもらい満面の笑みを返す。 これが末っ子なのかと感心しながらもぐもぐと頬袋を膨らませていると、向かいで吉田が力強く頷いていた。 おおよその検討は付くが。 「俺も知佳ちゃんに吉田くん大好きって言われてぇ。」 「りゅーちゃん鰹節取ってー」 「優登も俺には手厳しいな…。 はい、鰹節。」 「ありがとう!」 鰹節を着かんでお好み焼きの上にかけるとふわふわと踊る。 上顎が剥けそうだと三条は冷ました自分のものに箸を伸ばした。 「りゅーちゃんは優しいから大丈夫だよ。」 「優登。 三条に似ないで良い子だなっ。」 「どういう事だよ。」 友人とすごす休日も楽しい。 昼休憩の間中、笑い声は絶えなかった。

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