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第752話

『恋人になってからだと、はじめてだろ。 感じてんのもっと見せて』 優しい恋人の声にアナルがきゅぅっと息づいた。 動画の中の恋人に迄この身体は反応してしまう。 快感にぶるりと身体を震わせると陰茎を擦っていた手が止まった。 「なに締めてんだよ。 そんなにこの声が良いのか? 動画っつっても妬んな。」 「やけ…え…あっ、あ"ッ」  「……忘れろ。 こん時よりとろとろにしてやる。」 より深くに指を埋められ、うなじに噛み付かれた。 ギリリと皮膚を突き破りそうな犬歯に涙が滲む。 喉がひくりと鳴る。 目の前の画面は転換し、泣き声なのか喘ぎ声なのかわからない声をあげ揺さぶられはじめた。 「んな締めんな。 俺のいらねぇの?」 ずるい… そんな事解っているはずなのにまた意地悪を言うんだ 小さく首を降って否定すると口の中に陰茎を扱いていた手が入ってきた。 舌を弄る指から苦くてしょっぱい味がする。 何度も口にして覚えた自分の味。 同じ体液でも長岡のものの方が好きだなんて思ってしまう程に絆されてしまった。 「欲しい時はどうするんだっけ」 「ぅ…まはむ、え、はんの…ほひ…れふ」 「何言ってるかわかんなぇな。 もっかい。」 「まは、むえ…はん、まはむえ、はん……ん、ほひ……くあは、ん"ん"」 わざと上顎を擦る指を噛まない様に話している最中も目の前のテレビから自分の喘ぎ声が聴こえてくる。 それを可愛いだろと言う恋人に胸がチクチクした。 長岡の肩に後頭部をぐりぐりと押し付け、後ろ手に必死に手を伸ばし擦る。 「こえ…こ、え…まはむえはん、の、おえに、くあはい」

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