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第765話

正宗さんのにおいにくらくらする。 清潔なのに色っぽく感じるのは恋人から香るからだろうか。 「…正宗さん、」 「どうした。」 キスの合間に名前を呼べば優しく顔を覗かれた。 すぐ近くで綺麗な顔が楽しそうに口角を上げている。 綺麗な顔 顔も好き 「…正宗さんで、いっぱいに…なりたいです、」 「かわい。 誕生日だし、きもちい事いっぱいしような。」 「…何時も、きもちいです」 「今日は素直なんだな。 どうした。」 ちゅっちゅっと至るところにキスをしながら長岡は嬉しそうに訪ねてくる。 鎖骨に舌を這わされぴくりと身体を跳ねさせると、逃げられない様に指を絡ませ合いシーツに縫い付けられた。 冷たくて大きな手も大好き 「だって…」 「だって?」 「…今日は、誕生日だから」 「ん。 誕生日だもんな。 いっぱい甘えてくれてありがとな。」 清潔なシーツに縫い付けられる手を握れば、空気が更に甘くなる。 とくん、とくん、と心臓迄好きだと伝え、言葉にするよりそれはずっと素直で、なんだが悔しくて。 だから、今日が誕生日だという理由を作って素直になってみた。 本当はずっと思ってる。 好き 大好き 俺だけの正宗さん

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