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第781話

青い空、白い雲、皐月だと言うのにまるで真夏の様だ。 夏と違うのは空の色位。 暑い。 制服のジャケットが暑い。 ジャージも暑い。 「あち"ー。 持久走きっついな。」 「疲れた。 水…。」 漸く走りきった三条はタイムを記録し、ふらふらと水飲み場へと向かう。 夏の様な気温だが、ジャージの袖を捲っただけで走りきったから熱が籠る。 パタパタと襟刳りを扇ぎ蒸した空気と新鮮な空気を入れ換えれば少しは涼しいが、早く水分を補給して日陰に避難したい。 汗でピリピリと痛む肩はもう慣れた。 寧ろ、痛まない方が物足りないと思ってしまう。 顎を伝う汗を手で拭い、水を浴びるように飲む。 「さんじょー」 「田上、お疲れ。 うわ、汗やば」 「代謝良いからな。 つっかれたー。」 ジャージを捲り七分丈にしても尚暑いと友人は頭から水を被る。 暑いと言っても真夏の様に地下迄熱されていない為、水は冷たく気持ちが良い。 三条もバシャバシャと顔を洗う。 「はー、生き返った。 そういや、吉田は?」 「あ、来た。 吉田、お疲れ。 遅かったな。」 「本当にお疲れ。 朝飯食い過ぎて脇腹痛ぇ…。」 「なんで体育あんのわかってて食い過ぎんだよ。」 笑いながら吉田を待ち、校舎陰に移動して空を眺める。 青く眩しくて目が眩む。 ポタポタと顎から水滴を垂らしながら授業前に買ったスポーツドリンクを煽る。 暑い。 茹だるように暑い。 良い天気だ。

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