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第793話
「今日の夕飯なんにするかな。
肌寒くなってきたし、あったかいのにするか?」
「正宗さんと一緒ならなんでも美味しいです。」
「そんな嬉しい事言って。
ピラフにするか?
冷凍のだけど。
目玉焼きのっけて。」
「っ!
正宗さんが焼いてくれる目玉焼き大好きですっ。」
空気を和らげ笑みを向ける三条と台所に向かう。
薄着になってより細さを増して見えるが、裸体を見ている分には特別痩せた感じはない。
まあ、そもそもがガリガリなのだが。
「沢山食ってくれよ。
餌付けすんのは俺だけだからな。」
隣を歩く恋人は、ふわふわと花を咲かせ辺りを明るくしてくれる。
本ばかりの殺風景な部屋が色彩豊かに見えるのはこの恋人のお陰だ。
「はい。」
エビピラフを解凍してる間に半熟とろとろの目玉焼きを焼き一緒に食べる。
誰かにしてみたら当たり前の事がしあわせで、そのしあわせを遥登と共有出来る事が嬉しい。
「美味しいです。」
「美味いな。」
細さに似合わずもぐもぐと頬袋を膨らませよく食べる遥登と一緒に過ごす休日はもうすぐ終わってしまう。
だけど、また明日も学校で会える。
それも嬉しい。
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