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第798話
ご馳走さまでした、と手を合わせ弁当箱と箸を鞄に仕舞う。
ノートに参考書、資料集が既に詰まっている鞄の隙間に上手く入れるとチャックを閉めた。
「モフの新しいの食ってみてぇ。」
「あぁ、天ぷら?
ライスバーガーだよな。」
田上はスマホから顔を上げずに言葉を続ける。
「テスト終わりは天ぷらだな。」
やっと顔を上げた田上はパックのミルクティーをずずっと吸った。
吉田は食後のおやつにドーナツを頬張っている。
三条はポケットからキャラメルを取り出し、グラシン紙から剥くと口に放った。
「言い方親父くさっ。」
「まだ17だわっ。
三条の方が年上だろ。」
「あ、俺の事、敬ってくれて構わないよ。」
今年も誕生日を祝ってくれた2人。
冗談を言い合ったり、ふざけたり、思いきりし合える友人と出会えた事はとても大きい。
やわらかくとけるキャラメルの様に笑えば、それだけで昼休みは楽しくなる。
特な性分で良かったと本当に思う。
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