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第799話
今日は土曜日の補講日だが、テスト前もあって人が多い。
各教室に居る担当教師や準備室にいる教師に質問に行ったり、配布されるプリントをしたり各々自主学習。
学校にいない教師もいるが、割りとなんとかなっている。
三条もA組教室の自席でプリントを解いていた。
「長岡せんせー、ここわかんない。」
「これは、誰が誰に敬語を使っているか考えるんですよ。
ここ、あと、ここを見てください。」
何時も通りかっちりした担任はノートパソコンに向かったり生徒に向き合ったり忙しそう。
働いている恋人も格好良い。
折角の休日だが、髪をセットした姿は学校でなければ見れないし、ピシッと着ているスーツ姿も格好良い。
格好良い恋人が見れるのだから、良い方に考える事にしてる。
まっすぐな姿は凛としていて、先にこの姿を見ていた筈なのいまだ見飽きる事はない。
「そっか。
なんとなくわかった。
ありがとう!」
「どういたしまして。」
1人終わると、また1人やって来て入れ替わり立ち替わりやってくる。
さっきから人絶えないし、仕事出来てんのかな
でも、声聴こえるの嬉しい
担任をぼんやりと眺めながらプリントに向き直る。
やっと波の去った担任も背中を丸めてパソコンに向き直した。
長身の担任には、教卓もパイプ椅子もサイズが合っていない。
まるで小さい子供が、何かを食い入ってる様にも見える。
補講が終わったら昼を済ませて、恋人の部屋に行く。
それもまた楽しみ。
それまでしっかりと勉強しようとプリントに向き直った。
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