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第800話
「もう6月か。
テストはじまんな。」
「今回は頑張りますっ。」
「今回はって、もう十分頑張ってるけどな。
釣るのは良くねぇけど、1位ならご褒美。
沢山遥登の事甘やかせてぇなぁ。」
パァァっと目が輝く三条はしっかりと頷き頑張りますと答えた。
何度見ても犬の様だ。
可愛い可愛いと甘やかしたくなる。
もう十分頑張っているのは事実だし、上位をキープしてるのも大変だろうにまだ上を目指すと言う。
真面目でまっすぐで、自分が惹かれた三条はそういう生徒だと改めて思い知らされる。
遥登の髪を撫でると嬉しそうな顔で自分を見る。
その顔はたまらなく愛おしい。
三条も、遥登も愛おしいのは代わりないが、この蕩ける様な顔は1等好きだ。
「今回は得意な分野が多いですし、もうケアレスミスもしません。」
「頼もしいな。」
遥登の顔に影が重なるとぽわっと頬を赤らめた。
「暫くお預けだろ。
今日は甘やかしてくれよ。」
「え…、と、」
「はーると。」
「俺も…正宗さんに、甘えたいです…」
首に顔を埋める遥登が清潔なにおいがする。
恋人のにおいに顔を埋め、テスト期間触れない分触りまくった。
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