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第802話

何度、お疲れ様でした、お先に失礼しますと聞いただろうか。 ふと顔を上げると窓の外は色を変えていた。 テスト期間になって部活動もなく、静かな校舎は時間の経過がわかりにくい。 準備室には自分と数人しかいなくなってた。 こっそりと見渡し、他の教員が此方を見ていないのを確認すると、下に向けて組んだ手を伸ばした。 低い机に向かっているせいで首も痛い。 首を揉みながらスマホ画面をタップして、奥に隠れているファイルを開いた。 笑顔 笑顔 笑顔 淫靡なものも混じっているが、どれも元気が出る。 あと少し終わらせてから帰るか また隠れる様に弾き飛ばすと、残りを終わらせようと机に向き直った。

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