828 / 1273

第828話

ぞくりとした。 低く甘い声は艶っぽさもあるが、サディスティックな響きも合わせていた。 オナ禁? つまり何時もより性欲が貯まってる? 匍匐前進の様に前に手を付き身体を引っ張ろうと試みるが、すぐに長岡に腰を捕まれ引き戻される。 「逃げんなよ。 俺の事嫌い?」 「…っ」 そんな筈ない。 大好きに決まってる。 何よりも誰よりも大切で比べる事だって出来ない。 水分量を多くした目で見上げた先で、恋人はサディスティックな飼い主の顔をしていた。 「好き? 愛してる?」 うんうんと何度も頷く。 耳縁をねっとり舐め上げる舌に肌が粟立ち、口を抑えていないとあられもない声が漏れそうだ。 「ん"ん"っ…アッ、すき……、…す、き」 「俺も遥登の事、すっげぇ好き。 愛してる。」 首に舌を這わせながら囁かれる甘い言葉に鳥肌がたつ。 肉食動物みたいなこの目…、やばい 被虐心が三条のストッパーを壊していく。

ともだちにシェアしよう!