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第830話

「したっつっても、前だけか。 こっちはきつくなってるしな。」 「…っ」 振り返れば雄くさい顔をした恋人のソコはズボンを押し上げている。 それなのに、一向に挿入の気配はない。 あまつさえ2週間も我慢して、まだ我慢をするつもりなのだろうか。 勃ってるのに… まだ、もらえない… 生殺し… 十分に解されたアナルは準備万端だと口を空け、長岡もそれを分かっている筈なのに。 下唇を噛むとまた口を塞がれる。 舌を吸われ、上顎を擽られ、濃くなる恋人のにおいに長岡の指を銜えたままの後孔がきゅぅぅと収縮した。 感じている事が長岡に丸分かりで、羞恥に締め付けはキツさを増す。 どっちも耐え難い程に恥ずかしくてたまらない。 「切れるだろ。 良い子だから噛むなって。」 「ん…」 顔が離れる際唇を舐められ頬がよりアツくなる。 早く欲しい。 「もう欲しくてたまんねぇ?」 「…は、い」 「とろっとろだしな。」 手を軽く揺すられ、はぁっとアツい息を吐く。 解ってるなら早く欲しいと恨めしく見上げると、いやらしく口端を吊り上げた恋人と目が合った。

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