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第840話
お互いの腰に湿布を貼り合い、遅い昼飯に正宗さんが作ってくれたチャーハンを食べる。
自分が作ると申し出たのだが、腰を気遣ってか座っている様に言われた。
勿論台所に付いて行ったけど、皿を出す位しか手伝わさせて貰えなかった。
自分も腰に湿布を貼ったのに、何時も甘やかす。
「美味しいです。」
「そりゃ良かった。」
隣を見ると、綺麗に微笑む長岡の襟足が汗で濡れている。
蝉も鳴き始めもう夏だ。
手を伸ばそうとすると、逆に長岡の手が伸びてきた。
「汗かいてんな。
暑いか?
クーラーの温度下げるな。」
「え、あ、大丈夫です。
正宗さんも首の後ろ濡れてます。」
「ほんとだ。
暑いな。」
「はい。
もう夏ですね。」
暑いなと笑う長岡につられて三条も笑う。
長岡がそっと触れた額は確かに濡れていた。
手で乱暴に拭うと、目の前にスプーンが運ばれてくる。
「餌付け。」
「もう懐いてますよ。」
素直に口を付ければ長岡はもっと嬉しそうに笑った。
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