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第851話
わっと沸く歓声に悔しがる声、あたたかな拍手に包まれ体育祭は終了した。
「えー、皆さんお疲れ様でした。
地域の皆様もあたたかな応援ありがとうございました。
話は短いのでしっかり聞いてください。
まず、3年生のみなさんにとって最後の体育祭ですがどうだったでしょうか。」
最早恒例の長話に焼けた砂が尻を焼く様だ。
首筋を伝う汗が鎖骨を伝って腹の方へと流れていく。
暑いなと下げていた頭を上げると、前では幹部が受賞した賞状を嬉しそうに見ていた。
テスト前からあぁでもないこうでもないと言い合っていた幹部には感慨深い結果だろう。
見ているこっちまで嬉しくなる。
「地域の皆様も日頃から…」
視線を更に上げると担任が汗を拭っていた。
この炎天下の中、上下ジャージは暑いだろうにきっちりと着ている。
いや、何時ものスーツも暑いと思うが。
でも、長岡らしいその姿も好きだ。
恋人の時と違って背筋がすっと伸びている。
眉間に髪が掛かってないと爽やかで、掛かると男らしい。
どっちも好きだな、なんて、そんな事を考えていると校長の話は漸く終わった。
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