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第852話

三条に良いところを見せたいと本気でリレーを走ったせいかもう部屋が恋しい。 最後の追い上げは我ながら大人げなかった気もするが。 「えー、皆さんお疲れ様でした。 地域の皆様もあたたかな応援ありがとうございました。 話は短いのでしっかり聞いてください。 まず、3年生のみなさんにとって最後の体育祭ですがどうだったでしょうか。」 あっちぃ… けつ着いてる生徒達はもっと暑いだろうけど、校長わかってんのか…? だけど、3学年は嬉しそうにしている。 今までの苦労も暑さも吹き飛んだのか、こそこそと話しては笑い合っている。 それは良い顔で。 良かったな、と眺めていると、三条が此方を見た。 校長の長話に優等生も飽々しているのか、つまらなそうな顔をしているが、目が合うとゆっくりと下を見た。 ははっ、照れた わかりやす 汗を拭うフリをして口元を隠し教師の仮面を厚くする。 「地域の皆様も日頃から…」 まだ続くのかと項垂れたい気持ちに渇を入れて背筋を伸ばし、空を見上げた。

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