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第854話

ゴールデンウィークぶりの連休、つまり外泊日に胸が踊る。 コンビニでアイスと飲み物を買って行こう。 アイスはなににしようか、なんの飲み物にしようか、そんな事を考えては笑顔を思い出す。 バスに揺られ愛しい人の住む町に行くこの時間がたまらなく好きだ。 バスを降り長岡の部屋とは反対に歩いた先のコンビニから汗だくになってやっと着いた部屋の前で汗を拭い、なんて事ない顔を装っていると、いきなり目の前のドアが開いた。 「おはよ。」 呼鈴を押してもいないのに開いたドアに三条はくりくりとした目を大きく見開いて動きをとめる。 笑いを堪えた長岡に今までの行動を見られていたのではとじわじわと体温が上がっていく。 「見てたんですか…っ」 「いや、遅いなって思って…かわい…。 ほら、照れてないで入りな。 暑かったろ。」 腕を引かれると、大きな手の冷たさが気持ち良い。 「…おはようございます。 お邪魔します…。」 「膨れんなって。 キスすんぞ。」 律儀に頭を下げながら朝の挨拶をすると口元を隠しながらニヤニヤと笑みを浮かべていた長岡はやっと遥登に触れると抱き締めた。 三条の手に握られたコンビニ袋がガサッと音をたてる。 「…して、ください」 「ん。」 太陽に照らされ火照った身体に長岡の唇が気持ち良かった。

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