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第877話

長岡は真面目な顔をするとほんの少し声を低くした。 真面目な長岡先生の顔と声だ。 「ただな、辞退されると学校側としては都合が悪い。 来年声かけてもらえねぇって事になるとな。 だから、本気なら進める。 迷ってるなら…って話になるんだよ。」 「迷いはありません。」 もう迷う理由はない。 目標がある。 それを見誤りさえしなければ大丈夫だ。 真っ直ぐに見詰めると、真っ直ぐな目が自分をとらえる。 真摯なその姿。 姿勢。 自分が惹かれた長岡はそういう先生だと改めて実感した。 とても誇らしい。 とても格好良い。 自慢の先生。 自慢の恋人。 「よし。 じゃあ、話進めるか。」 「よろしくお願いします。」 頭を下げると、ぽん、と頭に触れる冷たい手。 「はい。 任せてください。 それも先生の仕事ですよ。」 そう言って担任は綺麗に笑ってくれた。

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