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第893話

クシュンッ 近くで聴こえるくしゃみに眠い目を開ければ、サラサラした髪が目に入った。 その癖のない髪、汗の混じった清潔なにおいに、はっと上身を起こすと下半身に拡がる快感。 下を覗けば三条の体内に入ったまま寝落ちたらしく、萎えたソレが半分顔を潜していた。 やべぇ… 後処理なんもしてぇねぇ… 風呂沸かしてそれから消臭 いや、まずは遥登に服だ 風邪ひかせたらまずい 服だ 冷房で冷えた身体に触れ、恋人が受験生な事を思い出した。 風邪でもひかせてしまったら受験者に響く。 ずるりと萎えたソレを引き抜くと、うんんと悩ましげな声が聴こえる。 いやらしい声にまた貪りたいと思ってしまうが、ぐっと堪えた。 自分の太さに馴染み口を開けたままの後孔、細い身体のあちこちに付いたかぴかぴの精液に朝から目に毒過ぎる。 いや、絶景なのだが。 「ぅ"、ん"…」 シーツも洗うのだから服も汚れても構わないと適当な開襟シャツを着せると、消臭スプレーを撒きにおいを消す。 生々しいにおいに照れる遥登は可愛いのだが、ふとんの中に引きこもってしまっては顔も見れない。 長岡はしゃがみ込み随分と大人びたその寝顔を眺める。 俺の方がご褒美貰っちまったな 顔にかかる髪を払い表れた額に自分のをこつんとぶつけた。 遥登のにおいと寝息に暫く目を閉じ充電をする。 受験頑張ろうな 俺に出来る事ならなんでもする だから、少しだけ充電させてな 目を開けても、変わらず気持ち良さそうに眠っている三条に届かない応援を送ると部屋の片付けに着手する。

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