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第894話

補講も終わり、本格的な夏休みにはいっても部活動に性をだす生徒の声が朝から夕方迄聞こえてくる。 生徒が居ずともネクタイをきっちりと締め上げ夏用のジャケットのボタンもしめている長岡。 人の事を言えた姿ではないが、熱中症が騒がれる昨今、しかも太陽が真上にいるこの時間によく出来るなと外を覗くと水遊びをしていた。 練習着をびしょびしょにして楽しそうにはしゃぐ頭を上から眺め、準備室とは反対の教室へと歩む。 開けっぱなしの窓から入る山風が気持ち良いそこの主はめだかの水槽を覗いていた。 声をかけるともさもさした髪が動く。 「相川先生、此処、少しお借りしても大丈夫ですか?」 「あ、長岡先生。 はい。 お仕事…ですか?」 「いや、昼飯です…。」 「お昼…?」 きょとんとする相川に長岡は手に持った弁当を掲げて見せた。

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