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第902話

飯を済ませ、淫靡な雰囲気にもっていくと三条をベッドに押し倒した。 これまで何度セックスしたか分からない。 それなのに、何度も何度も欲する。 三条を知れば知るほどそれは増していった。 限界を知らないかの様に貪り骨の髄まで欲深い。 それほど三条とのセックスはしあわせだ。 脚を割り開くと身体を押し付け深く迄埋める。 「きもち…っ、き、もち…ぃ…」 「俺も、きもちい。 腰とまんねぇ」 付き合う前から気持ち良かったら気持ち良いと言えと教え込んでいた甲斐もあって三条は気持ち良いと漏らす。 きっと教え込んでいなければ、素直に口にする事はなかったであろうその言葉を存分に味わう。 自分に感じてくれている鼻にかかった声、恍惚とした顔、発情した身体。 すべて余すことなく自分だけのものだ。 恥骨が触れてもまだ足りないと薄い腰を引き寄せる。 腰を掴んでいた手に熱の籠った手が伸びてきた。 なんだろうと腰の動きを緩やかにすると、はくはくと呼吸をしていた遥登が振り絞る様に言葉を吐く。 「たんじょ、び…おめでと…ござ、います」 しっかりと目を見て、 快感に歪んだ顔で、 それでもやわらかく言葉を紡いだ。 「ありがとう」 自分の言葉に口角を上げ、微笑む恋人に胸が一杯になる。 しあわせだ。 自分には勿体無い位、しあわせに包まれている。

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