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第917話
涼しい電車を降りると全身を射す太陽光。
顔の熱さは引いたが空気はさっきと変わらず暑い。
逃げる様にコンビニへと入り、昼食を見繕い飲み物と共に購入した。
あっつ
良い天気通り越してんな
既にシャワーを浴びたい程汗をかきながら学校への短い道程を歩いていると、後ろから衝撃が走った。
細い身体はかくんと揺れる。
「さーんじょっ。
久しぶり。」
「田上、おはよう。」
「はよー。
三条、なんか良いにおいすんな。
香水…?」
「え、あ、柔軟剤のサンプル貰って…使ったからだと思う…」
「へぇ。
いいにおいだな。」
スンスンと鼻を鳴らす友人に別の意味で汗をかいた。
肩に回された腕は日に焼けより男らしくなっている。
時々会っては居たが、そう言えばお盆明けからははじめてだ。
変わらず元気そうでなにより。
「焼けたな。
夏休み何してたんだよ。」
「従兄弟と野球。
朝から付き合ってたら焼けたわ。
体育よりきっついのなんのってな。
三条は変わんねぇな。」
「ははっ、お疲れ。
俺は焼けにくいから。」
他愛もない話をしながら学校敷地内に入ると反対から歩いてきた未知子ちゃんが此方に気付き手を降った。
スカートが涼しそうで少し羨ましい。
スラックス、そしてパンツの中が蒸れていて気持ち悪い。
…………毛がない分マシはマシなんだけど
それに関してだけは衛生的で涼しくて、良かったなと思う。
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