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第925話
テスト範囲は余裕をもって終わり、テスト前日はテスト勉強に時間を裂ける。
少し足早だった気もするが、生徒達の様子を見る限り対策プリントでなんとか補えそうだ。
「対策プリント作ってきたから配ります。
次回までにしてきてください。
解答からはじめますよ。」
プリントを配っていた長岡は、腕で口元を隠すと後ろを向いた。
クシュンッ
「先生、風邪?」
「大丈夫?」
授業中思わず出てしまったくしゃみに、生徒達から心配の声が上がる。
目の前の、クラスの生徒達は数は少ないが就職や進学と体調を崩してる暇はない。
いや、この風邪もその生徒から奪ったものだが。
「すみません。
移さないつもりなんで、移らないでください。」
「うぃー」
「先生も早く治ると良いね。」
「あぁ、ありがとうございます。」
机の中にマスク入ってたよなと考えながら、元の持ち主を見るとじっと此方を見てからふいっと目を反らした。
大方昨日の事でも思い出してんだろう。
でも、まぁ、遥登は治ってきたっぽいし結果オーライか
にしても、キスで移んだな
また絶対しよう
国語教師の仮面の下で不埒な事を考えながら、長岡は2枚のプリントも配布する。
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