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第926話

リビングで勉強していると、外から足音が聞こえる。 玄関ドアを開けるのとどちらが早いか帰宅の挨拶と共に、弟とその友人がビニール袋を揺らしながら帰ってきた。 「ただいまっ! 兄ちゃん、お土産! たこ焼きと甘栗。」 「お邪魔します! 俺も、ベビーカステラ!」 「おかえり。」 ノートから顔を上げ出迎える三条に、ビニール袋を手渡した。 出掛けてすぐに帰ってきたと思ったら、まだあたたかいお土産を買ってきてくれたのか。 まだあたたかな袋に頬の力が抜ける。 「まだあったかい。 優登も一樹もありがとう。 みんなでおやつに食べようか。」 「やった!」 「うんっ!」 気分転換も兼ねて休憩。 ぐーっと伸びると身体中パキパキと音がなった。 お昼を食べてからずっと座りっぱなしでけつも痛い。 台所でお茶の用意をしようと立ち上がると、優登が手洗いのついでにやると言いその言葉に甘える。 「今日祭りだったんだな。 どうりで外賑やかなんだ。」 「うん。 ほんとは遊んでから夕方行こうかと思ったんだけど、雨降りそうだからやめた。 だからお土産だけ買って家で食べながらゲームする事にした。」 確かに窓の外はどんよりとしていて、空気も湿っている。 うんうんと隣で頷く一樹は優登から飲み物を受け取ると美味しそうに飲み、優登はベビーカステラを口に放った。 三条もたこ焼きを美味しそうに頬張る。 「うまっ」 「良かった。」 そろそろ思春期になるというのににこにこと屈託なく笑う2人はとても可愛い。 2人のお陰で良い休憩になった。

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