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第931話

「2日目終わった…。 古典難しかった…。 長岡鬼畜かよ…。」 「まだもう1日あるけどな。 でも、明日はラーメン食いに行くし楽しみ。」 「三条は食い気かよ。 はぁ、もう1日頑張るか。」 田上のその言葉に、三条はにっこりと頷いた。 「チャーシュー麺が俺を待ってる!」 「チャーシュー麺か。 俺は何にしようかな。 タンメン、ワンタン麺、酸辣湯麺も美味いよな。」 「あー、ワンタン良いな。 醤油も美味い。」 要らない教科書をロッカーにしまいなから話すのは明日の事。 嫌だ嫌だと言うこのテストもあと数回。 確認テストや小テストを入れてもそんなに回数はない。 したくはないが、少し寂しい気もする。 「寒くなってくると味濃いの美味いし、味噌も良いな。」 「今からそんなに迷ってんのかよ。」 「楽しみだろ。 俺だけ?」 「いや、俺もすげぇ楽しみ。 ぱーっと気晴らしもしてぇしな。」 パタンとロッカーを閉めたところに、準備室へと戻る途中の長岡が通り掛かった。 三条達はこれから帰宅だが、長岡はやっと昼休憩。 まだ業務が半日もある。 「帰るのか。 羨ましいな。」 「長岡先生ちわす。 古典難しかったんすけど…」 「そうか? そんな難しい事もねぇだろ。 あ、そう言えば吉田はどうした?」 1人足りないと頭を探すも見当たらず、ロッカーに鍵を掛けている三条達に声をかけると、意外な所から声がした。 「後ろに居ますよ…」 「居たのか。 悪い…見えなかった。」 「はぁぁ、これだから背が高い奴は…」 あからさまに悄気る吉田は、なぁ、と田上に同意を求めた。 「俺平均よりあるし、長岡に認知されてたし。 吉田だけだろ。」 が、撃沈。 三条、長岡が大きいだけで吉田も平均はある。 あるが、2人の前ではそれも霞むと言ちた。

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