「明日もテスト頑張れよ。 じゃあ、気を付け帰ってください。」 「うぃーす」 「午後も仕事頑張れー」 「さよなら」 丁寧に会釈をして去っていく長身を見送ると、準備室へと歩みを進める。 来週は球技大会で、採点にも余裕がある。 今日は早く帰宅出来るだろう。 残念なのは三条が明日もテストで会えない事。 でも、明後日は連休だ。 三条の外泊日。 戻る足取りも軽いものへと変わる。 準備室の自席にはどっさりと詰まれた解答の山。 まぁ、連休を考えれば軽いもんだ 「亀田先生、お疲れ様です。」 「長岡先生もお疲れ様です。 生徒達は帰宅ですね。 羨ましい。」 「そうですね。 読み途中の本、今良いところなので早く帰って読みたいですよ。」 「長岡先生は本当に本がお好きですね。」 気持ちにも余裕があり、和やかに話は進む。 読み終わったらあの生徒に貸そう。 どんな感想が聴けるか今から楽しみだ。