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第933話
やっとテストから解放された3人は約束通りラーメンを食べに来た。
熱いような涼しい様な、微妙な温度の店内は同じ様な年代のお客が沢山いる。
他校もテスト終わりなのか街には晴れやかな顔をしている制服姿もチラチラと見かけた。
「お待たせしました。
特大盛りのピリ辛味噌とチャーシュー麺味玉追加、激辛ラーメンです。」
目の前にどーんっと置かれたラーメンに三条は目を輝かせた。
存在感を主張するラーメン丼が3つに餃子。
三条は炒飯も悩んだが、夕食も食べたくて止めた。
今日の夕食はポークチャップらしい。
「でっかっ。
いただきますっ。」
「いただきますっ。」
「うわっ。
からっ。
やべぇ、うめぇ。」
三条の注文したピリ辛味噌は、ごま油が食欲そそるもやし炒めが山盛りのっていて更に肉味噌と白髪葱がアクセントになっている。
しゃきしゃきのもやしをしっかり冷まして口に詰め込む。
「んまっ。」
「本当美味そうに食うよな。
三条につられて俺まで沢山食っちまうやつ。」
美味しいラーメンに気心知れた友人。
三条はにこにこしながら麺を啜る。
「三条、一口交換しようぜ。」
「うん。
いただきます。
……っ!
すげぇ」
「だろ。
舌痺れる。」
ずぞぞっと真っ赤な丼の中の麺を啜ると舌がピリピリ痺れる。
それどころか熱さと辛さで口の中がぽかぽかしてきた。
水を飲むもなんの意味もない。
とりわけ辛いのに弱いわけでもないが山椒がしっかりと効いていてすごいの一言だ。
「味噌ラーメンうめぇ。
このもやし美味いな。」
「うっわ…汗出てきた…。
これ全身の毛穴開いただろ。」
「田上は相変わらずすぐ汗出るな。」
「餃子もうめぇ。
三条、食う時気を付けろよ。
肉汁すげぇから。」
頬を膨らませしあわせそうな顔でラーメンを食べ餃子を食べ、あっという間にすべてを平らげた。
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