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第935話

キスしたまま肩を押され、ソファの膝掛けに尻を着くと押し倒された。 その際三条は反対側の膝掛けに頭をぶつけてしまい、長岡は笑いながらその丸い頭を擦る。 「…ぃっ…た」 「悪りぃ。 大丈夫か。」 「大丈夫です…」 「こぶになっちまった。 冷やすか…」 尻をのせていた肘掛けから落ちてしまったのが原因で長岡は何も悪くない。 寝転ぶ自分の上に跨がり、たんこぶを確認する長岡。 覆い被さる体制もあって長岡のにおいが濃い。 三条は意を決し、長岡の服を引っ張るとちゅぅっと首にペッティングをした。 「それより…あの……」 「それより?」 「沢山、触って…欲しい……です」 ふわりとやわらかくなる表情。 たんこぶを擦っていた手が耳から頬を撫でた。 その冷たくて大きな手に自分のそれを重ね、すりっと頬を擦り付け三条は甘える。 「ん、沢山触る。 遥登も触ってな。」 「はい」 珍しく自分から甘えてくる三条に長岡はご満悦の表情を浮かべ、肉付きの悪い頬を何度も撫でた。

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