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第937話

着衣を撒き散らしながら浴室へと向かい手早くシャワーを済ますと、全裸のままベットに腰を下ろした。 ドキドキと騒ぐ心臓。 せめてタオルで股間を隠すが、布1枚はあまりにも心許ない。 同じくベットに腰掛けている長岡に腕を引かれ、その脚を跨ぐと素肌が触れ合い余計に心臓が騒ぐ。 「顔真っ赤。 んな、緊張すんなよ。 恥ずかしいのは俺とだけだろ。」 脇腹を撫でていた手が骨に触れながら少しずつ上がってきた。 何度こうして触れ合っても、肋が浮いてみっともない身体を見られるのは恥ずかしい。 「遥登、キスしようか。 ほら、どうすんだっけ?」 「口、開ける…」 「そう。 やらしいのしような。」 ちゅぅと唇を合わせると、舌が口内に入ってきた。 やっぱりそれにも慣れなくてぴくりと肩を震わせるとより深いものへと変わる。 舌を吸われ、いやらしい水音がする。 羞恥心に目をきつく瞑っても音はどうする事も出来ない。 「また息止めて。」 ふはっと呼吸を再開すると濡れた唇を親指で撫でられた。 その目に背筋がぞくっとする。 色っぽい、危険な色気。 被虐心が疼きだす。

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