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第939話
「首に手ぇ回して。
そう、良い子だな。」
腕を掴まれ首に回す様誘導された。
手をどうしたら良いのかさ迷わせていた三条はそれに素直に従う。
これはこれで恥ずかしいが、くっついていられて嬉しい。
くすくす笑う声も心地良い。
額、目蓋、鼻、唇、顎と綺麗な顔が下がってきた。
首元を長岡の髪が擽る。
そうしながら冷たくて大きな手は恋人の陰茎に伸びていく。
「っ!」
「もうガチガチじゃねぇか。
そんなに俺のキス好き?」
顔を首に埋めた長岡は上目に見てくる。
その色っぽさといったら、三条の陰茎がぴくんと動いた。
「正宗さん、が、好き、です」
「はるちゃん、誘い方上手いよな。」
胸鎖乳突筋に舌を這わされ横を向くと、サイドチェストが視界に入った。
「くび、わ…」
「首輪、してぇの?」
無意識に口を吐いた言葉にはっとした。
「品行方正な優等生も快楽には勝てねぇのか。
やらしくて良いねぇ。」
「…ぅ…ンんッ」
膝で股間を擦られ慌てて口を覆うも甘ったるい声が漏れてしまう。
器用に膝を動かしながらサイドチェストから首輪を取り出すと、目の前にチラ付かせる。
それを見た三条の息が発情した様に一層甘くなった。
「ほら、首輪」
生唾を飲み込む音がやけに大きく耳に届く。
首輪、されたい…
目を瞑り首を上げる。
どくん、どくん、と心臓が痛い。
かちゃかちゃと金属音がして手が離れていくと、飼い主の犬になっていた。
「俺の犬はお利口さんだな。
嬉しいよ。」
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