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第945話

肉付きの悪い頬を両手で挟むとむにむにと揉む。 首輪を外し風呂を済ませふとんにパンツ1枚だけでくるまる三条は、顔だけを覗かせ、されるがままに花を咲かせる。 ふわふわと咲き乱れる花はとても綺麗。 「がっついたな。」 「…はい。」 そんな事にも照れる三条に長岡の纏う空気もやわらかくふわふわしたものへと変わる。 三条の隣に寝転ぶと、すりっと寄ってきた。 腕を掴み、布団へ誘う。 「俺も入れてくれるのか。 あったけぇ。」 細っこい恋人を抱き枕に布団に潜った。 骨っぽい身体は、清潔なにおいがしてあたたかく気持ちが良い。 真っ直ぐな髪に頬を寄せると三条も素直に甘えてくる。 「正宗さんのにおい、好きです。」 「急にどうした。 まだ足りないのかよ。」 「その体力はどこにあるんですか…」 「ははっ、高校生には負けるけどな。」 梳くとさらさらと手から零れ落ちる真っ直ぐで癖のない髪が顎の下で動いた。 身体の位置を直すのかと思えば鎖骨の下をちゅぅっと吸う。 清潔な髪の間から見える耳は真っ赤でそれを指摘すると更に赤くなった。 「マーキング?」 「…はい」 「出来たか?」 「…薄く、ですけど」 「嬉しいよ。」 「…俺も、嬉しかった、です」 はずかしがり屋の頑張りが本当に嬉しい。 髪にキスをすると上気した顔が自分を見る。 また頬を両手で掴むと綺麗な目がやわらかく細められた。 あぁ、この子はとても綺麗だ。

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