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第949話
寝室に2人の気持ち良さそうな寝息が聴こえる。
長岡は三条を抱き枕にして、三条は長岡の胸に顔を埋め小さくなっていた。
本ばかりの部屋にはしあわせが沢山溢れていて、すぐ足元にも転がっている。
洗って伏せてある2つのマグカップ。
冷蔵庫の中の夕食の残りのカレー。
干しっぱなしのサイズ違いのシャツに、充電器の刺さっている2台の携帯。
明日は何を食べようか。
何を読もうか。
あぁ、でも、くっついてベッドでだらだらするのも良いな。
いつもの事か。
目覚めたら1番最初に目に入るのは愛しい恋人。
2人にとってはそれすら贅沢だ。
最高の目覚めまであと数時間。
どんな夢をみているのか三条の口角が上がった。
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