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第955話

『お疲れ』 手の中に頷く。 『今年は優勝出来るか?』 首を傾げた。 『勝てたら土曜は鍋食べような』 これにはしっかりと頷いた。 言葉を発しなくても会話は出来る。 『応援しに行く』 細い指が画面を撫でた。 『がんばります』 何時もの個室で秘密の逢い引き。 画面を真っ暗くし、まだ少し熱を帯びる身体を抱き締めた。 清潔な三条のにおいに汗のにおいが混じる。 それがなんだかセックスの時の様で下半身がジンとしたが、三条は午後からも試合があるし流石にこのタイミングはまずい。 からかうこともせず、心行くまでとはいかないが逢瀬を味わう。 「すっげぇ好き」 鼓膜に吹き掛けた言葉に三条は頬を赤くしたが動き回った後のせいか目立たない。 それを良い事に更に言葉を紡いだ。 「愛してる」 丸い頭にすりっと頬擦りをする。 捕まれていた腕に力が入ったかと思えば、小さな声が耳に届く。 その言葉に長岡は笑った。

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