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第957話

球技大会2日目は前日押してしまったチームを頭に持ってきた為時間が少しずつ変わっていった。 2試合目だった三条達のバレーは3試合目。 丁度腹が空いてる時間になったと田上も吉田も飲み物で腹を満たしている。 食べては腹が重く動けない。 嫌な時間に移ってしまった。 熱気の籠る体育館脇に3人は座り試合を待つ。 昨日より気温が上がり汗をかいた身体で三条はコンクリートに寝転ぶ。 気温は高いが風は秋のものだ。 秋風の肌寒さが今の身体に心地良い。 空は青く澄み渡り、太陽も顔を出してきてなんとも気持ちが良い。 三条はぽけっと暫く空を眺め、ゆっくりと目を閉じた。 三条にはこうした時間が必要だと理解している友人達は、三条に構う事なくスマホを弄り時々画面を見せ合っては笑っている。 「これ、知ってる? 知佳ちゃんから教えてもらったんだけどさ。」 「なにそれ。」 空気を甘く染めるオレンジ色の花のにおい。 グーと腹の虫が鳴いた。 「腹減った。」 「起きてたのか。」 「流石に外で寝たら引くだろ。」 「いや、三条なら有り得る。」 「わかる。 三条ならありよりのありだな。」 「うわ、俺のイメージって…」 にやにやと悪そうな笑みを浮かべる2人は楽しそうに笑う。 半身を起こすと飲み物で腹の虫を抑えた。 あまり飲み過ぎるとたぽたぽしてしまうが、空腹も動きが鈍る。 次の試合に勝てれば、午後から決勝だ。 今年こそ、負けたくない。

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