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第982話

生徒会の本決定を受け、冬の色をにおわせはじめた校舎のあちらこちらから楽しそうな声が聞こえる様になった。 ロングの時間は文化祭準備に当てられ、学年で騒がしくなる事も多々ある。 準備をしている三条にスカートを短く折り込み化粧をした女子生徒が近付いてきた。 スカートを気にせずその隣にしゃがみ込むとぶっきらぼうに声をかける。 「三条くん、なでそんな痩せてんの?」 「体質…だけど」 「ふーん。 あたしも痩せたい。」 「新発田さんは十分細いよ。 それに、俺は胃下垂でこんなだけど正直みっともないでしょ。 骨と皮みたいだし。」 それでも嫌な顔をせずにこにこと話すと三条に新発田は意外そうな顔をした。 「三条くんの周りに人がいる理由がわかった。 意地悪言ってごめん。」 「え、意地悪だったの?」 「逆にあたし口悪いと思われてたの? それはそれで、ショック…」 「嘘。 俺もお返し。」 くすくす笑う長岡に釣られ、新発田も笑った。 髪を染め、化粧をし、見た目は派手目だが笑った顔はまだ幼く可愛らしい。 「えー、むかつく。 実は三条くんに興味あったんだ。 頭良いのに偉そうにしないし、運動も出来るし優等生っての? 話してみたかったから話せて嬉しい。」 「そうだったんだ。 俺も新発田さんと話せて嬉しいよ。」 「三条くんさ、その人タラしやばいよ。 好意のある女の子勘違いするって。」 「人タラしって…。 俺のイメージどうなってんの。」 「ガリガリだなぁって。 あと、よく笑ってるイメージかな。」 笑ってるイメージがあるなら、それはきっと友人のお陰だ。 一緒に居て楽しい友人達。 あの2人と居るとくだらない事でも楽しくなる。 「新発田さんも何時も楽しそうだよね。」 「楽しいよ。 メイクもオシャレもして目一杯楽しまなきゃ人生損でしょ。 若い時間なんてあっという間だよ。 あ、作業の邪魔してごめん。 また話してね。」 新発田は立ち上がりスカートの後ろ部分をパンパンっと叩いき、じゃ!と友達の元に戻っていく。

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