去年の委託販売で使ったお揃いのエプロンと同じ物を数枚買い足し、男子も着てねと言い渡された。 三条達は今年も着ぐるみを着た吉田と朝一の宣伝に回る。 着ぐるみと言っても一昔前に流行ったキャラクターパジャ。 過激でなけばコスプレも構わないと言う学校側の規則はあるが、このお祭り感が楽しい。 人が多く集まり笑顔が溢れる。 「３年Ａ組はしまきやってまーす。 第２体育館でーす。」 「吉田似合ってる。」 「だろ。 あ、写真撮るならはしまき１本買ってな。」 案外しっかりしている吉田は他クラスの友人達にポーズを決める。 吉田に友達の多い理由はこういうところだ。 場を盛り上げるのが上手くて周りをみて弄られ側にも回たり、お調子者のイメージがあるが場の空気をみて動ける頭の良さがある。 「商売上手かよ。 んじゃ、後で買いに行くわ。 吉田何時頃いる？」 「マジか。 良い奴ー。」 シャッター音を鳴らず吉田の友人達のお陰で人の視線を集める。 吉田のお陰で客入りは悪くなさそうだ。