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第996話
殆んど使われる事のない3棟教室から廊下に明かりが溢れる。
わいわいと楽しそうな声も聞こえ、まるで教室棟の様だ。
「お疲れ様でした。
楽しかったですか。」
「楽しかったです!」
「楽しかったー。」
各々楽しかっただの男子がサボってただの口にする。
聖徳太子でもないから1人1人の声は聞き分けられないが、顔は楽しそうだ。
それなら良かったと長岡は暫しその声を聞いていた。
が、やはり他クラスや職員室に声が響くのは少しマズい。
「分かりました。
分かったから静かに。
ほら、あんまり五月蝿いと先生職員室に居ずらくなるだろ。」
「先生もそういうの気にするんだ?」
「しますよ。
だから、もう少し声押さえてください。
良いですか。
明日は休みですが、明後日月曜日は後片付けからはじめます。
部活や委員会がある人は担当の先生の指示に従ってください。
それ以外の人は教室と体育館を後片付けです。」
土曜と言っても予備校だのなんだのある生徒が多い。
なるべく早く返してやりたいが、友人達との会話に花が咲いている。
受験生の自覚はあるんだろうが、大丈夫なんだろうか。
まぁ、自分もそんなにお利口ではなかったが受験は成るように成った。
「わかりましたか。」
「はーいっ」
「うぃーす」
「それじゃ解散しますか。
日直、お願いします。」
賑やかな特別棟は楽しそうに明かりを溢している。
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